パナソニックの従業員が幹部を軟禁!
とんでもない事件がパナソニックの北京工場で勃発したのだ。普段、スピーカーやチューナーづくりに忙しい工場が、抗議の場と化したという。
パナソニック関係者は「この工場には820人ほどが働いていて、ほとんどが中国の人です。問題の騒ぎは、幹部社員が希望退職者を募る説明会を開いた直後に起きました。100人ほどの従業員がオフィス前に待機していて、日本のトップを含む複数の幹部に抗議をし、最終的には600人くらいの従業員が集まったようです。解放されたのは4時間後だったと聞いています」と状況をこう説明した。
抗議の理由は、希望退職に不満を持ったためだ。パナソニックとしては、折からの世界的な大不況に見舞われて事業の効率化を迫られていた。希望退職を持ち出したのはこうした事情によるものだった。結局、経済的な補償をすることで話がついたというが、昔の労使の“闘争”を彷彿とさせる出来事だ。
中国事情に詳しい財界人が言う。
「パナソニック側に法的な落ち度はなかったはずです。でも、中国の工場労働者の多くが貧しい内陸から来ているため、一時的ではあっても職を失うわけにはいかないという思いが強い」
日本企業の給料が欧米企業より高いことも裏目に出ているという。
「欧米の現地法人は、基本的に給料を上げることをしないし、従業員が賃上げを要求しても一切認めません。かつての植民地政策の経験が生きているといえるでしょう。ところが、日本企業の場合、国内と同様に経験を積めば上げるし、騒げば何とかしてくれると足元を見られているから付け込まれてしまうのです」(前出の財界人)
日本企業が欧米のようなマネはできそうにない。とすれば、これからも苦労が絶えないか。
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