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●就職ナシ、収入ナシ、住居ナシ…

 働き盛りの若者が日本社会から消える――。不況で就職難、やっとの思いで滑り込んだら内定取り消しと散々な学生たちに、新たな頭痛のタネだ。大学生らに奨学金を貸与している独立行政法人「日本学生支援機構」(JASSO)が、奨学金の返済を滞納する卒業生の名前などを来春から“ブラックリスト”に登録すると発表したのだ。

 同機構は、家計が厳しい学生に対し、奨学金(第1種)で月額2万1000円(高専1〜3年)から12万2000円(大学院)を無利息で貸与している。だが、昨今の不況を反映し、卒業半年後に始まる返還金の滞納が増加。07年度末は要返還人数・額が258万人、約3600億円に対し、滞納額は約660億円で、5年前の約1.5倍になった。

 このため、同機構は11月、「全国銀行個人信用情報センター」に加盟。3カ月以上の滞納者を対象に順次、個人情報を“ブラックリスト”に登録する強硬手段に踏み切った。

「ブラックリストに載れば、たとえ完済しても一定期間は消えない。この間、新規のクレジットカードは作れず、融資も受けられない。場合によっては住居の賃貸契約だって断られるケースも出てくる」(経済ジャーナリスト)

 JASSOは「返還金は次世代の奨学金原資になるため、滞納を見過ごすわけにはいかない。やむを得ない事情を理解してほしい」(奨学事業部)と説明するが、卒業生の中には、返済したいが、就職口が見つからず、収入が得られない人もいるだろう。このままでは、就職ナシ、収入ナシ、ブラックリスト入りで住居も借金先もナシ――と三重苦、四重苦の若者がちまたにあふれることになりかねない。明大教授の高木勝氏(現代経済学)がこう言う。

「企業がいとも簡単に内定を取り消し、就職しても先行き不透明の時代です。滞納は良くないが、若者の将来をムシり取るような施策でいいのか。社会人生活の初段階でつまずくことにもなりかねません」

 若者が社会を見捨て、職を求めてアジア諸国に出ていく日は近いか。
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